ディスプレイ(モニター)の調整とカラーマッチング
写真を印刷する際にレタッチをしますが、明るさ・色合い等を調節する際に何を基準に調節をしますか?やはりモニターの写真を見て調節をすると思います。では、そのモニターがきちんと調整されていないとレタッチもおぼつかないという事です。ここではレタッチにとって最も重要なモニターの調節と、更にはモニターと印刷物の色を合わせるカラーマッチングについて解説をします。 |
○ディスプレイ(モニター)の調整 ディスプレイを買ってそのままの状態で使っている人は多いと思いますが、ディスプレーの初期設定はあまりにもお粗末です。私もどちらかといえばその口なのですが、工場出荷のままの初期設定が好きという方もいらっしゃるかと思います。何となくすっきりしている気がして。しかしディスプレイは使う人の環境によっても見え方は様々なので、是非以下の説明をご覧になってディスプレーの調整を行なってください。 | |
調整項目は非常に簡単です。ディスプレイを置く位置・角度、明るさ、コントラスト、色温度
の4つの項目です。 | |
次にディスプレイの明るさとコントラストを調節します。
まず、コントラストを最大にして、まわりの黒と中のグレーのボックスがぎりぎり見分けられるように 明るさを調節します。これで明るさとコントラストの調節はおしまいです。 | |
次にディスプレイの色温度を調節します。 色温度についての詳しい説明は避けますが、白を何色よりの白にするかの設定だと考えてください。K(ケルビン)という値で示され、数字が大きいほど青く、小さいほど赤い白になります。 Windows用のディスプレイの標準色温度は9300K(ケルビン)です。ですので、ほとんどのディスプレイは買ってきたときには色温度は9300Kになっています。しかしこの9300Kは見やすいのですが、実際の紙の白に比べるととても青みがかっています。ですので色温度は5000Kもしくは6500Kに設定するのが基本になります。これはちょっと黄色みがかった白になります。ディスプレイの横に実際によく印刷する紙を並べて更に細かく色温度を設定してもかまいません。またディスプレイの色温度設定に5000K、6500Kがない場合も同様にします。色温度の変更はディスプレイの前面などについている設定ボタンのメニューなどから設定する事が出来る事が多いようです。詳しい事はディスプレイの説明書等をお読みください。 後で説明するICMを用いたカラーマッチングを行う場合は色温度を5000Kに設定してください。PSPのカラーマッチングは5000Kが基本のようです。 ここで注意点ですが、 1.メーカー物のパソコンに付属するディスプレイでは色温度を設定できない事が多い。 2.最近流行りの液晶では色温度を設定できないものも多い。また、その再現性が悪い。 3.後で述べるICMを用いたカラーマネージメントをする場合にはプロファイルにある色温度を設定する。 4.ほとんどの人はそのまま9300Kのモニターを使っているので、HPに使う画像などは9300Kで作業した方がよい。 色温度の設定が出来ないディスプレイをご使用されている場合は、ディスプレイのドライバーで表示の色合いを変えられる場合もありますので、そこでRGBを調節して、黄色っぽい色合いに変更する事で対応出来ます。ディスプレイドライバーの調整項目はお使いのパソコンによって異なりますのでここでは省略させていただきます。 4のところにも記載していますが、HP用の画像を主に作成される方は9300Kのままにしておいた方が良いでしょう。 | |
これで、ディスプレイの調整は終了です。お疲れ様でした。 この調節によってあなたのディスプレイは印刷用に最適な表示がされるようになりました。本当はこれに加えて、RGBそれぞれの出力レベル等の調整をした方が良いのですが、それは簡単に最適な調整が出来ません。今回の基本的な明るさ、コントラストの調整だけでかなり満足の行く表示結果になるはずですので、ここでは解説しません。 最近のプリンターは優秀ですので、あとはプリンターのドライバーの色補正に任せておけばそこそこの再現性は示すようになると思います。ほとんどの場合はこのディスプレイの調整だけで環境設定はいいと思います。それでもどうしても印刷結果と画面の表示が合わない方はプリンターのドライバーの明るさ・ガンマ・色補正を調節してみてください。 更に高度なディスプレイの調節が行いたい場合は次の「Adobe Gamma を用いたディスプレイセッティング」をご覧ください。また、更に高度な色合わせを行いたい場合は次の「ICMを用いたカラーマッチング」を続けてご覧ください。 Adobe Gamma を用いたディスプレイセッティング ICMを用いたカラーマッチングの解説 |