未来は開かれている:

オープンドキュメントとは何か、そしてなぜ気にかけるべきなのか



The Future is Open:What OpenDocument is and why you should care


by Daniel Carrera

OpenOffice.org volunteer




日本語訳:可知 豊、可知 美紀子






序文

 私は、OpenOffice.orgのボランティアであるDaniel Carreraに、オープンオフィスフォーマットについて説明してもらうよう依頼した。どのようにしてフォーマットは選ばれ るのか。また、マサチューセッツ州が作成したような、行政機関での使用に受け入れられるフォーマットのリストにオープンオフィスは載っているのか。もし 載っていないのであれば、リストに載るために何ができるか?彼は快く引き受けてくれた。なぜなら私たちは皆、著作権を有するフォーマットや標準規格に懸念 を抱いているし、より多くの政府がオープンスタンダードを義務付ける方針を適用するようになってきているので、オープンスタンダードはとても重要なテーマ であるからだ。

 Danielは オープンドキュメントを「独占的フォーマットによるベンダーロックインと戦う最善のチャンス」と呼ぶ。現在、EU委員会により オフィシャルフォーマットの候補として検討されている。尚、この記事は、最後にあるリンクから、オープンドキュメントを含めいろいろなフォーマットでダウ ンロードできる。いくつかのブラウザーでは、リンクをクリックする代わりに、「名前を付けて保存」をクリックする必要がある。

 Daniel Carreraはメリーランド大学の数学の博士号を持つ学生であり、またOpenOffice.orgの ボランティアでもある。彼はOOoの コミュニティ評議会で「コミュニティー代表」を勤める。Danielはまた、OOoAuthors Projectを手助けしており、ほとんどの英語のドキュメンテーションはそこで作成された。彼はサンディエゴで29日に開かれるOOo Regiconで講演する。また、29日から11日までサンディエゴで開かれる、オープンソースの現在と未来、そしてdesktop Linux technologiesについての会議Desktop Summit 2005でも講演する。彼は初日に”INREACH, Building an Active Community”というテーマについて講演する。

 すべての講演者のリストはここからリンクしている。これは確かにおもしろそうである。Mitch KaporDoc Searls desktop conferenceでの基調講演者である。SunSimon Phipps OOoRegicon をキックオフするそうだが、彼は素晴らしい講演者だと聞いている。このリンクからもっと情報がある。座席数が限られており、 サイトでは25日から値段が高 くなると言われている。


(** Growklawの編集者 PJによる序文。ここで彼は、Daniel Carreraを彼”He"としているが、本当は女性

目次

OpenDocumtentとは何か 4

要旨 4

タイムライン 4

EUValorisレポート 4

選択基準 5

中立であること 5

技術的なメリット 5

幅広く受け入れられること 5

最終選考 6

OpenDocument vs Microsoft XML 6

レポートへの反応 6

Microsoft Valoris レ ポートへの反応 6

SunValorisレ ポートへの反応 6

The EU TACの 提言 6

MicrosoftThe EU TACの 提言に対する反応 7

SunThe EU TACの 提言に対する反応 7

IBMThe EU TACの 提言に対する反応 7

我々はどこにいて、どこに行く必要があるのか 8

これは我々が勝利できる戦いである 8

オープンドキュメントが成功するために必要なこ と 8

あなたにできること 9

付記 10

参考資料 10

付録1 − 拡大版タイムライン 11

訳注 12

来歴 12



未来は開かれている:
オープンドキュメントとは何か、そしてなぜ気にかけるべきなのか

OpenDocumtentとは何か

要旨


 問題:次の文を完成させなさい、「OpenDocumentとは・・・」


  1. オープンなXMLベースのファイルフォーマット。

  2. OASISISOスタンダードグループにサポートされているオープンスタンダード。

  3. 次 期OpenOffice.org 2.0KOffice 1.4. のデフォルトファイルフォーマット。

  4. EUのオフィシャルフォーマット候補で、選ばれる可能性が最も高いもの。

  5. 独占的フォーマットによるベンダーロックインと戦う最善のチャンス。

  6. これら全部。


 正解は、(f)。これら全部。

タイムライン

 この記事は数ヶ月間の期間に渡って書かれたレポートにリンクしている。話を追いやすいように(特にフォーマットの名前に ついて)おおまかなタイムラインを用意した。


  1. OpenOffice.org "OpenOffice.org 1.0"フォーマット というオープンなファイルフォーマットを開発し た。

  2. EUコミッションは、Valoris にオー プンファイルフォーマットについてのレポートを委任した。

  3. "OpenOffice.org 1.0 ”フォーマットはOASIS 標 準化委員会 に提出された。KDE と Corel OASIS テ クニカルコミッティーに参加し、より幅広いアプリケーションをカバーするためにフォーマットを拡張した。

  4. 新しいOASISフォーマットはOpen Office XMLと呼ばれ、OpenOffice.orgKOffice それを自分たちの基礎となるネイティヴなフォー マットにするのに尽力した。

  5. Valoris レポートが公開され、マイクロソフトとサンがそれに対応した。The European Union TAC 提言を発表

  6. フォーマットがISOに 提出され、名称をOpenDocumentフォーマット に変更した。


 古い名称で普及させないために、以降は”OpenDocument"と呼ぶことにする。

EUValorisレポート

 ここで鍵となるのは、EUTelematics between Administrations Committee (TAC) である。TACは、より競争力のある市場を作り出すためにオープンスタンダードを使う可能性を調査するため、Valorisのコンサルティンググループを雇った。

 Valorisレポート は、よく調査された徹底的なものだった。彼らは公認のオープンスタンダードグループにバックアップされたOpen XMLフォーマットの適用を推薦した。

 ValorisレポートはOpen XMLテクノロジーが政府の情報システムと要求方針にどれだけ影響 力があるかについての非常に詳しい、とても説得力のある報告書である。

 78ページもの報告書をまとめるのは難しいので自分で読んでみることをお勧めする (http://europa.eu.int/idabc/servlets/Doc?id=17982)Valorisレポートは全編に渡っ てよく調査され、OpenDocumentを奨励するもので、EUはオープンな市場を望んでいる。

 ValorisグループはOpenOfficeフォーマットの 発展を綿密に観察し、2004年の11月までには、彼らが持った懸念や 問題点はすべてひとつひとつOASIS TC によって対処された。どのように政府と組織が情報システムの要求方 針を決めるのかということについては、Valorisの試みは他に類を見ない洞察を提供している。

選択基準

 レポートに、Valorisは既存のファイルフォーマットを余すところなくリストにまとめた。これらは一連の要求と比較された。たった2種類のフォーマットがうまく機能し、これらは更に分析されるため選ばれた。

 我々にとって、これらの基準に慣れ親しんでいることは重要であ る。政府がOpen XMLフォーマットを採用する前に、彼らが何を要求しているかが分 かる。その基準を3グループに分けてみた。


中立であること

技術的なメリット


幅広く受け入れられること

 これは奇妙に聞こえる。なぜこのことが重要なのか。そんな ことに関係なく最良なフォーマットを選ぶべきではないのか。

 答えは単純である:ODAのことを聞 いたことがあるだろうか?おそらくないだろう。

 80年代にヨーロッパでOpen Document Architecture (ODA) というオープンスタンダードフォーマットを規定しようと試みがあった。それは欧州委員 会を含むヨーロッパの公共機関からたくさんのサポートを受けた。ODAECMA標準、ISO標準でもあった。

 しかし、ODAはみじめに も失敗した。

 ODA産業界からの援助が全くなかった。 フォーマットが複雑で、企業はSGMLRTFなどのより実用的な規格をサポートする ことを好んだ。

 結論:産業界は内容(** matters をサポートするのだ。W3Cが、正常に機能する実装をひとつも持た ない規格を決して受け入れないのはこのためである。


注:「幅広く受け入れられる こと」とは、「支配的である」という意味ではない。フォーマットを維持するのに充分な、産業界による採用があるということである。例えば、OpenDocumentはこの条件を満たしている。ODAの試みと違い、OpenDocumentSunIBMHPNovellAdobeなど大手同様2つのoffice suiteのサポートも受けている。

最終選考

 全ての基準を完璧に満たすフォーマットはないが、ある2種類のフォー マットは他から傑出していた。


OpenDocument vs Microsoft XML

MS XMLOpenDocumentフォー マットより一見優れているように見える点は、カスタムデザインのスキーマがあることだけだ。一方、OpenDocumentは いくつも利点がある。


レポートへの反応

Microsoft Valoris レポートへの反応

 Microsoftの反応(http://europa.eu.int/idabc/servlets/Doc?id=17984PDF)は、終始カスタムデザインのスキームは本当に重要であると主張し、とにかく読者を説得 しようとしている。それしか手段がないようだから、驚くべきことではない。

SunValorisレポートへの 反応

 Sunの 反応(http://europa.eu.int/idabc/servlets/Doc?id=17985PDF)では、MicrosoftXMLへのアプローチに対する懸念が表わされている。全文を読んでみることをお勧めするが、以下にいくつか抜粋す る。


The EU TACの提言

 各社からの反応があってから、EU TACは最終提言(http://europa.eu.int/idabc/en/document/2592/5588)を作成した。これらも有望な内容である。彼らはファイ ルフォーマットの重要性を主張していた。


「・・・公共部門は、フォーマットを処理するアプリ ケーションについて市場関係者に同等の機会を与えない、すべてのフォーマットを避けるべきである。特に市民や企業の側に、製品の選択を強制する可能性があ るばあいには・・・」


 Microsoftの カスタム定義スキーマについての議論に対する彼らの反応は興味深いものだった。

 この機能が本当に価値のあるものか議論する代わりに、彼らはOASISに、Microsoftの議論 と対等になるよう、カスタム定義スキーマをフォーマットに追加するよう申し立てた。TACはまた、MS XMLMS XMLの参照ライセンスは充分にオープンではないことを発見し、Microsoftにいく つか提案した。


OASISへ の提言:


Microsoftへ の提言


その他の同業会社への提言:


一般社会への提言

MicrosoftThe EU TACの提言に対する反応

 Microsoftの反応(http://europa.eu.int/idabc/servlets/Doc?id=17984PDF)では、結局行き着いたのはこういうことである:


SunThe EU TACの提言に対する反応

 Sunの反応 (http://europa.eu.int/idabc/servlets/Doc?id=18016PDF)は、あらゆる点で、真にオープンなフォーマットの重要性を繰り返し述べている。彼らはISOサポートのアイディアを気に入り、そのフォーマットがISOスタンダードになることを確信している。

IBMThe EU TACの提言に対する反応

 IBMの反応(http://europa.eu.int/idabc/servlets/Doc?id=18035PDF)も肯定的だった。が、私には、ほんの少し不安に思うところがある:


・・・我々は、標準技術は制限なく公開されるべきだと 信じる(必要不可欠な特許に対する正当なロイヤリティー以外は)・・・


 これについてはよく知らないので、かっこ内の事柄が重大かどうかは他の人に決めてもらおう。しかしこれ以外は、IBMEUにこう報告し た:



 WorkplaceOpenOffice.org コードに基づいているので、最後の部分は驚くようなことではないが、心に留めておくのにいいコメントである。

我々はどこにいて、どこに行く必要があるのか

 OpenDocumentフォー マットは間違いなく、ソフトウェア特許に次いで FOSS運 動にとって最も重要なひとつのステップである。以下の点で独特である:


これは我々が勝利できる戦いである

 OpenDocumentフォー マットは以下の点で成功する現実的なチャンスを持っており、独特なポジションにある:


オープンドキュメントが成功するために必要なこと

 Valoris レポートは、政府文書の公式スタンダードとして成功するオープンフォーマットは、以下の4つの点が必要であることを明確にし た。


あなたにできること

技術的メリット

完了

  もしフォーマットに重大な欠陥を見つけたら、OASIS TCに参加すること。もしくは、XMLのエキスパートのDavid Wheeler のやり方を見習ってもよい。DavidOASISのメンバーではないが、彼はいつも討論参加してくれる し、一般のフォーラムで仕様を策定するのに貢献してくれる。OASIS TCOASIS UBLW3C XForms グループのような他のオープンなXML関係の活動との連絡役を続けている。

 そして、直接仕様に影響を与えるために、多くのOpenOffice.org プ ロジェクトグループのひとつを通じて働きかけるという選択肢が常にある。ここには米国議会図書館のとても複雑なMODSスキーマ の要求を完璧に満たす仕様を策定するのに長年熱心に務めたBibliography and DocBookグループの例を含む。

採用

  • Abiword, Gnumeric, Sodipodi Inkscape の フィルターを作成すること。

  • OpenDocumentをサポートするアプリケーションの普及を促進すること。

  • OpenOffice.org Kofficeを 支援すること。

オープンスタンダード

完了

OpenDocumentの推進(**Poritical will)

  • EUMAを、オープンドキュメントをサポートするよう説得するのを支援する。

  • 手紙を書いたり、ロビー活動をする。

  • 人々に伝える。そのためにはこの記事を自由に使って結構である。

  • 広く情報を持つこと。

  • Valoris リポートとここにリストされたドキュメントを読むこと。

  • もしあなたがカリフォルニアのサ ンディエゴの近くに住んでいたら、29日に開催されるOpenOffice.org Regicon(http://marketing.openoffice.org/conference/regicon/)に行ってOASISGary Edwards がオープンドキュメントについて語るのを聞くこと。

    The Shot Heard Round the World: How OASIS Open Document Changes Everything.(独立戦争の開始 :OASIS Open Documentはどのようにして全てを変えるか)

  • 上記の講演に参加してレポートをGroklaw に 提供すること。


The Shot Heard Round the World: How OASIS Open Document Changes Everything.

(独立戦争の開始 :OASIS Open Documentはどのようにして全てを変えるか)

http://desktopsummit.com/topics.php#shot

**Groklaw HTML版の追加情報


講演の概要:

2年 間の制作期間に、OASIS OpenDocument XMLファイルフォーマットの仕様は有名になってきつつある。このセッションではOASIS TCが欧州連合(EU)の次世代インフォメーションシステムの必要条件を満たすため、どのようにファイルフォー マットの仕様に飛躍的な改良を加えたか討論する。『カスタム定義スキーマ』の必要条件を満たすためには、XForms, SVG, SMiL のような改良が必要だった。ISOthe International Standards Organization) への提出はTCのもうひとつのチャレンジだった。ここでは、MSXMLファイルフォーマットとライセンスは『充分オープンである』というMicrosoftEUに対する主張の原動力についても討論する。EUは自分たちの立場を貫いたのだが(**The EU held their ground though)。『オープンスタンダードベースのオープンXMLファイル フォーマット』は、現在EUが導入を検 討している段階(**purchase cycle)にある。このためマイクロソフトは、OASIS/ISOファ イルフォーマットを現行のMS オフィスアプリケーションとして提供するためにサンと連携することと同様に、200411月には、今後 リリースされるもの(future releases)に関する必要条件に従うと折れたのだ。IBMWorkPlaceの デスクトップ環境は OpenOffice.orgのコンポーネントに基づい ているため、IBMAdobeと、その他150以上のIBMと提携しているインフォメーションテクノロジーのベンダーもまた11月に、EUの必要条件 の順守を発表することができた。オープンスタンダードポリシーが採用されるようになったとき(**when open standards policies find their way into the purchase cycle)市場は想像できる限りのあらゆる方面において競争力を持つようになるのである。

もっと重要なことは、オープンスタンダードに基づいたポリシーによってコンピューター使用者たちは、情報と、彼らが頼って いる情報プロセス両方のオーナーシップを持てるようになる。

そのことが全てを変えるのだ。


付記

 この記事の技術的な精度はOASIS TCGary Edwardsチェックしてもらった。最終草案はJean Hollis Webeが編集した。全ての書き間違いと漏れは私の責任にある。

参考資料

Valoris reportおよび TAC提言とその反応

http://europa.eu.int/idabc/en/document/3439

OASIS Technical Committee

http://www.oasis-open.org/committees/tc_home.php?wg_abbrev=office


この記事は、PJの記事と同じく(** Groklaw)Creative Commons Licen(http://creativecommons.org/licenses/by-nc/2.0/)でライセンスされる。 Daniel Carreraの連絡先はdcarrera at openoffice.org


この記事はOpenDocumentフォーマット、またはOpenOffice.org 1.0PDFでダウンロードできる。

















付録1 − 拡大版タイムライン

 この拡大版タイムラインはGary Edwardsによって提供された。

**Groklaw OpenOffice.org1.0版の追加情報


  1. Sunは、クロス プラットフォームの統合オフィスソフト「StarOffice 」を購入した。彼らはオープンソースコミュニティ「OpenOffice.org 」 を発足し、StarOffice の 基盤となる全てのコードをオープンソースにした。

  2. OpenOffice.orgは、統合オフィスソフトの複合文書の特徴全てをカヴァーするオープンなXMLファイル フォーマット 開発した。大量のオフィスワークの情報**desktop productivity information が、「構造化された」ファイルフォーマットとして記述された**captured のは初めてのことだった。

  3. SunOpenOffice.org コ ミュニティは、オープン XML ファイルフォーマットの仕様をオープンスタンダードの候補として、OASIS に 提出した。

  4. The OASIS Open Office TC (Technical Committee) は第1段階の作業を開 始し、18ヶ 月かけて、20043月に完了した。 第1段 階の作業は企業レベルコンテンツ管理(**content management 出版関連(**publication concerns に焦点が当てられた。

     貢 献者たち(Boeing, Arbortext, Stellent, Documentum, Corel, SpeedLegal, the Australian National Archives, and the International Biblical Society)は、30年以上の実績を持ち、いまだ稼動中で生産的なレガシーアプリケーションとシステムを移行可能にするため、先頭を切って仕様を拡大し た。 (Boeing, Arbortext, Stellent, Documentum, Corel, SpeedLegal, the Australian National Archives, and the International Biblical Society lead the way in expanding the specification to meet the transformation demands of having over 30 years of legacy applications and systems still on line, and still productive.

     第1段階の作業は、 拡張性と包括性に焦点が当てられた。ファイルフォーマットの仕様は、レガシーインフォメーションシステムと、急速に進化している将来の出版とコンテンツ管 理システムの間の一般的な変換レイヤーとして位置づけられた。

  5. EUは、 Valoris 2つの懸念につい て調査するよう任命した。1点 目はオープンスタンダードに基づくインフォメーションシステムについてだ。2点目は、EUがどのようにしてオープンで高い競争力のあるインフォメーションテクノロジーの市場を創造 できるかということである。Valoris は、すぐにオープン XMLテクノロジー とOASIS Open Office XMLファ イルフォーマットTCに 焦点を合わせた。

  6. 2段階の作業で は、 OASIS TCは オフィスワーク用アプリケーション(**desktop productivity applications)の新たに発生するニーズに焦点を移した。KOfficeTCに参加し、仕 様をより広い範囲のオープンXMLテ クノロジーとマルチメディアフォーマットを含むために拡大する研究が本格的に始まった。XForms, SVG, SMiL, Bibliography, UBL, XBR, DocBook のためのイニシアチブ(**Initiatives for 〜)、 プロジェクトとコンテンツマネージメントスキーマ、カスタム定義スキーマ、インテリジェントな複合文書(**intelligent compound documents )、ワークフローの 統合、他が研究されている。 OASIS TC「生産性環境」(**productivity environment の観点から考え始め、将来の共同 コンピューティングの要求について考慮した。

  7. Valorisレ ポートが発表された。 MicrosoftSunがそれに反 応した。The European Union TAC が提言を発表した。

  8. OASIS TCが、 カスタム定義スキーマの原理(the custom-defined schema fundamentals) を含めEUの提言に反応 した。フォーマットは公式な標準規格としてISOOASISに提出された。ニュートラルでオープンな精神を持つEUの要求と、生産的環境の仕様の性能の急速な拡大(**the rapid expansion of the specifications productivity environment capabilities を踏まえて、TCは名称を 「OpenDocument」フォーマットに変更した。

訳注


 この論文は、OpenOffice.orgコミュニティで精力的なボランティアである Daniel Carreraの『The Future is Open:What OpenDocument is and why you should care』の全訳です。


 元の論文は、Groklawhttp://www.groklaw.net/)に掲載され、Slashdotにも紹介されました(この2つには多くのコメントが付いています)

 翻訳は、 Groklawで公開されたHTML版と、そこからダウンロードできるOpenOffice.org 1.0フォーマット版により行いました。HTML版には、Groklawの編集者PJによる序文とGary Edwardsの講演の概要が掲載されています。また、OpenOffice.org 1.0フォーマット版には、付録1:拡大版タイムラインが掲載されています。どちらも役に立つ情報なので、ここではその両方 を訳出しました。


 この日本語訳版は、オリジナルと同じ くCreative Commons Licenでライセンスされます(http://creativecommons.org/licenses/by-nc/2.0/)


 翻訳上の疑問点があった場合、「 ** 」マークで原文および訳注を示しました。

 皆さんのご意見を期待しています。




可知 豊(http://www.catch.jp/catch at openoffice.org)

来歴

2005-02-11 003 :日本 語訳を暫定公開

2005-02-01 :オリジナル版がGroklawで公開