「60%の人間はプログラミングの素質がない」という論文は撤回されていた

知らなんだ。

広くプログラミング教育を実施しようというとき、「60%の人間はプログラミングの素質がない」と批評されることがあります。けれども、そもそも学校のテスト等で難易度が高い場合には正規分布にならず、ふたこぶラクダのように頂点が2つになることがあるそうです。だから、プログラミングの素質がないのではなく、プログラミング教育へのモチベーション設定に失敗していたり、チャレンジングな教育目標が設定されているのではないかな。つまり、素質の問題ではなく環境の問題なんだ。だとしたら、環境が改善されたら、ふたこぶラクダは解消されて正規分布に近づく。そして、平均点は上がるはず(ふたこぶの上位層はさほど変化しない)。

ということを考えて、いろいろ調べていたら、はなはだ旧聞なんだけど、論文が撤回されていたことを知りました。ググっても上位に出てこないので、ここに書く。

「60%の人間はプログラミングの素質がない」

元ネタは、これ。

そして、 “この論文では、60%の人間にプログラミングの素質がないと推定している。”、と。

学校の成績は、ふたこぶラクダになることがある

長年なにか腑に落ちないな、と思っていたら、ひらめきました。

プログラミング教育に限らず学校の成績は、ふたこぶラクダになることがあるって、どこかで聞いたぞ。

実際に、モチベーションや学習環境が成績のふたこぶラクダを生み出すことは、すでに日本の教育で問題になっているみたいです。

そもそも、統計や生産現場の品質管理の分野では、学習のふたこぶラクダ現象が指摘されている

いや、もうね。ここに書いてあるじゃん、という感じ。

正規分布にならない例として、学校のテスト等で難易度が高い場合、勉強してきた人とそうでない人で平均が分かれ、70点付近と40点付近などフタこぶラクダのように頂点が2つできる場合もありま す。

この場合「一定の条件」に当てはまらないというか、本来欲しいデータではない。グラフ上の高い山は、70点と40点付近だが、平均点は55点辺りになり、グラフでいうと、ちょうど谷にあたる部分になる。これがテストの点数の話ではなく、製品の測定値の場合、単に測定値の平均だけ見ると「何となく良さそう」と思ってしまうが、実際グラフに起こすと「何じゃこりゃ!」となります。

ちなみに工程で、測定値のグラフがフタこぶになったとなると、例えば、装置トラブルで途中から加工の位置がズレたとか、となりの規格の違う製品が混入した、等が考えられます。

というので、あらためて調べてみたら、

元ネタとなった、ふたこぶラクダ論文は撤回されていたことを知りました。

ちゃんちゃん。